ポーランド、古都クラクフ 2

2021

前回はクラクフ駅から聖マリア聖堂までを案内しました。今回は、聖堂が面しているメイン広場から南に向かっていきたいと思います。

聖堂のあたりから見た広場

この写真だとわかりにくいですが、見えている建物は実は広場の真ん中にあります。こちらはスキェンニツァ(Sukiennica)と呼ばれ、もともとは市庁舎だった建物です。現在は地上階部分がマーケットに、上の階は美術館になっています。また、広場の地下に広がる博物館の入り口などもここにあります(博物館とかはいつかまた別途)。

反対側はこんな感じ

メイン広場を囲う建物の一階部分は多くがレストランになっています(当然、観光地価格で結構高い)。ほかにも、ほぼ24時間営業のスーパーや映画館などが入った建物もあります。

さて、メイン広場の南から南の方に向かうメインの通りはグロツカ(ulica grocka)といいます。こちらもフロリアンスカ同様、レストランやバーなどが並んでいます。おススメはミルクバー(bar mleczny、バル・ムレチュヌィ)というレストランです。ミルクバーというのは一般名詞で、共産主義時代のポーランドにあった大衆食堂的なものを指します。現代のミルクバーも、比較的安価で割と量のある食事を提供しています。日本の定食屋みたいな感じでしょうかね。また、ポーランド料理がメニューのメインというのもおすすめな理由の一つです。広場にあるレストランは大手チェーンやイタリアンっぽいものが多く、意外とポーランド料理はあまりありません。グロツカ通りには確か2つミルクバーがあったと思いますが、派手な看板はないのでちょっと見つけづらいかもしれません。

当時のレートだと、これで1000円いかないぐらいでした。内容はカツレツ(kotlet schabowy、コトレト・スハボヴィ)、コールスローサラダ、ジュレック(żurek、発酵ライ麦のスープ)です。

さらに南下していくと、右側が開けてきます。ここがグロツカ通りの終点です。グロツカ通りの南端の左側には旧工廠があり、そこが語学学校になってたりします。

グロツカ通りの南端にある、ヤギェロン大学の語学学校

そして、その向かいには…

どーんと城が立っています。この城はヴァヴェル城(zamek królewski na Wawelu、ザメク・クルレフスキ・ナ・ヴァヴェル「ヴァヴェルにある王城」)と呼ばれており、クラクフがポーランドの首都だった間の王城でした。ぱっと見は戦闘用の城なのか宮殿的な役割の城なのかわかりませんが、後者の性格が強かったようです。また、結構背の高い城に見えますが、丘の上に城が立っている感じなので、実際はそこまで背は高くないと思います(ヴァヴェルというのも丘の名前)。写真の左奥にスロープがあり、そこから上に上ることが出来ます。

中に入るとかなり広い庭園があり、その周りを建物が囲っているという、旧市街のような構造になっています。段階的に増築されていったため、建物のスタイルがまちまちなのが面白いですよね。中には聖堂や武器庫、居住区などの建物があります。城壁の中に入るのは(たしか)無料ですが、それぞれの建物に入るにはチケットを買う必要があります。昔入ったときは並んでチケットを買いましたが、オンラインでも買えるようです。

実は、この城が立つ丘にはドラゴン伝説(smok wawelski、スモク・ヴァヴェルスキ)があり、クラクフのシンボルになっています。ヴァヴェルの丘は石灰岩で出来ていて地下が空洞になっており、そこに人喰いドラゴンが住んでいた、という伝説です。クラクフを拠点にするサッカーチームのマスコットにもなっていたり、土産屋に行くとドラゴンのぬいぐるみが大量に売られていたりします。城の裏側に行くと火を噴くドラゴンの、若干グロテスクな像があります。

画像の右奥の方に竜が住んでいたという洞窟への入り口がある

また、都市構造あるあるだと思いますが、クラクフはヴィスワ川(Wisła)のほとりに建設されました。城の裏側がまさに川に面しており、川辺は遊歩道になっています。ヴィスワ川はポーランドを南北に縦断する非常に重要な河川で、他にワルシャワやグダンスクなどもヴィスワ川沿いに建てられた都市です。

川の向こう側には、映画にもなった歴史的に重要なあるモノがありました。それについてはまた次回。

それでは!

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